売上が上がるとコストが増えるのは本当なのか?

2025.07.07

コラム

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経営においては「売上が上がるとコストも増える」と考えるのが一般的です。

皆さんの現場に置き換えると、100人の利用者をみるのと10人の利用者をみるのとでは、サービスを提供するプロセスに係るコストが大きく変わるはずです。

例えば、支援に必要な人員配置の数、利用者の食事提供にかかる食材・調味料などの費用、タオル、歯ブラシ、コップ、衣類といった日常生活に必要な備品など、利用者が増えれば売上は上がりますが、当然コストも増えます。

しかし、こう考えてみるのはどうでしょうか。

「売上が上がるとコストが増えるのは本当だろうか?売上を上げながらコストを下げることができたら、それこそが経営努力ではないか。」

おそらく、経営努力とは、このような一見矛盾した課題を解消していくプロセスのことを言うのだと思います。

例えば、皆さんは「ジョブチューン」という番組をご存じでしょうか。ローソン、デニーズ、ピザーラ、王将など、名だたる大手チェーンが自慢の商品をプロの料理人にジャッジしてもらい、合格か不合格かを評価される番組です。

この番組を見ていると、各社の経営努力をリアルに感じることができます。たとえばコンビニのお弁当やスイーツ。20年前は「美味しくない」「できれば食べたくない」といった印象が強かったですが、今では専門店に迫る、超えるほどの品質にまで進化し、価格はほとんど上がっていない。むしろ「これでこの値段?」と思う商品もあります。

審査を受ける商品開発部の方々は、プロ料理人からの厳しい指摘を受けて涙を流します。

その涙は、商品を極限まで磨き上げていく中での産みの苦しみ、そして経営努力を続けてきたからこそあふれる、悔しさや喜びの涙なのだと思います。

話を戻しますね。

昭和の時代、会社経営では「顧客第一主義」が当たり前でした。顧客があって会社が成り立つのは当然です。

しかし時代は変わり、人口減による人員不足も相まって、職員第一主義を掲げる企業も増え、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策として従業員を守る姿勢を示す企業が増えてきました。

過度なサービスを控えて業務効率を図ったり、学校行事も職員の負担を減らすために簡素化されるなど、現場は大きく変化しています。

皆さまの組織でも、顧客へのサービスの質を高めたいと思う一方で、従業員の負担が増し、その結果として人が離れてしまう、潰れてしまう、そんな現状が起きてはいないでしょう
か。

こうしたとき、「何かを選ぶ代わりに何かを捨てる」という発想もあります。

しかし、前述の通り、売上を上げながら経費を抑える、商品価値を高めながらコストを据え置く、あるいは従業員満足度を上げつつ顧客へのサービス品質も下げない、または顧客へのサービス品質を高めながら職員満足度も上げていく。

このような、一見矛盾する課題に果敢に挑戦する姿勢こそが、今あらためて経営において求められているような気がします。

両立できないと思っていたものを、両立させる知恵と工夫。
そこにこそ、いま私たち問われている、“経営力”なのかもしれません。

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