プログラム開発の舞台裏

2020.07.04

日記

社内

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未来にむけて種を蒔く

現在、弊社ではリーダーシップの新プログラム開発を行っています。

名称はまだ決まっていないのですが、コンセプトは、「男性性と女性性の統合」「多様性」であり、開発プロセスの中で、なぜ日本は女性リーダーが生まれにくいのか、なぜ日本は出る杭は打たれやすいのか、他の国はどうなのか、そもそも日本における女性リーダーの歴史はどうなっているのか、脳科学的に、生物学的に男性と女性の違いはどこにあるのか、多様性を大切にする組織はどのような運営をしているのか、等々議論の中で湧き出た疑問を元に、様々な角度から深掘りしています。

今日はその開発ミーティングがあったので、その舞台裏を少しお伝えします。

そもそも、新しいプログラムを開発する際には、まず①どのような人に対して(対象者)②どのような価値を生み出したいか(成果)、というゴール設定を行い、そこから逆算して、コンテンツ(内容)を設計していきます。

普段は、現場で起こっている課題を取り上げ、抽象化し、それを解決するためにどういった知識・スキル・マインドを習得する必要があるかを明確にし、プログラム開発することが多いのですが、今回は、もう一段階、二段階深掘りして、そもそも自分たちは、①どのような社会を実現したいのか、②どのような組織を増やしたいのか、③どのようなリーダーを増やしたいのか、というビジョンをお互いに共有し、擦り合わせ、そこからどのような人に対してどのような変化を創り出したいか、最終プログラムへの落とし込みを行っているため、普段よりかなり多くの時間を使っています。

しかし、あらためて長期視点で考えることで、そもそも自分たちは仕事を通じてどのような価値を創造したいのかがより明確になってきます。

以下は、今日話し合った内容の一部メモです。

①どのような社会にしたいか

  • 誰もが人間として価値があり、その命が等しく尊重される社会
  • 人は皆違う存在であることが受容さる社会(多様性が当たり前)
  • 一人ひとりが個性を生きている社会(一人ひとりがパズルのピース)

②どのような組織を増やしたいか

  • 熱を帯びている組織、存在目的(ミッション)が明確であり、その実現が第一目的であり続ける組織(利益の最大化が第一目的でない)
  • ティール組織のコンセプトで言うグリーン(多元型)の世界観をもつ組織(多様な価値観が尊重される組織、差別や制限がない組織)
  • 人が道具ではなく、人間として扱われる組織(人間主義的な組織観)
  • 社会関係資本(ソーシャルキャピタル)を増やし、対話によって最適解と納得解を見つけられる組織(関係性の質が高い組織)
  • 合理を超え、感情を共有できる組織(女性性のある組織)
  • 権力や階層構造に言動が縛られない組織(上意下達ではなくコミュニテイのような組織)
  • トップが権限委譲し、ミドルの主体性が高い組織(ミドルアップダウンの経営)
  • ルールや規則に縛られない組織(組織カルチャーによる意思決定)
  • 環境変化に適応し続けられる組織(自ら間違いに気づき、自己修正できる組織)
  • 人には多様な目的があることを理解し、組織はその一部が満たされる場であることを許容できる組織(多様なライフスタイルを許容できる組織) 例:今は子育てが第一目的であれば、その子育てに集中できる 例:シニア層は会社に貢献するよりも社会活動に力を注ぎたい、でも会社を辞めるわけにはいかない

③どのようなリーダーを増やしたいか

  • 自己の女性性(共感力、受容力、創造力)と男性性(行動力、分析力、構想力)を統合したリーダー(中庸のリーダー)→男性性に偏りがある場合:女性性の取り戻し、感情・感性・感覚・直感(非言語能力) を扱う、内省力、受け取る力、弱きを助ける →女性性に偏りがある場合:男性性の取り戻し、論理的思考力、問題解決力、言語化スキル、表現力、結果を出す、踏み込む
  • 自己のあらゆる多様性を受容し、他者の多様性を受容できるリーダー(成熟したリーダー)→自己理解から他者理解、自己受容から他者受容、エゴの手放し、欠点や未熟さを魅力に、器の拡大、矛盾を内包する、真善美の意思決定
  • 自ら学び、変化し続けることができるリーダー(メタリーダー)→自分への客観的な気づき(メタ認知能力)、他者のフィードバックを歓迎する、恐怖を抱えながらも前に進み続ける(恐れることを恐れない)
  • 才能の開花を助け、自律と進化を促すことができるリーダー(プロデューサー)→才能を発掘し、舞台を用意する、能力的発達だけでなく人間的な発達を支援する
  • 自律しているリーダー(内発的動機づけがされている)→与えられた才能、資質、役割、使命への気づき(遺伝子レベル、宇宙レベルで)、理想とする世界観の明確化と現実化に向けての行動、自己探求と自己表現

自分たちの経験に基づく主観的アプローチと学術的アプローチの両面から検討しており、少々専門的な用語も多くありますが、実際に提供する段階では、もっと分かりやすい言語になっていると思います。

おそらく、上記のような組織でありたい、このようなリーダーを増やしたい、といった顕在的なニーズは現実的はまだまだ少ないと思います。

それでも、このような社会を実現するために、自分たちにできる一歩を歩み続けていきたい、ただその一心です。

カメの歩み

実は、というほどの話ではないですが、私は今年の12月で40歳を迎えます。

気持ち的には学生時代から何も変わっていないのですが(笑)、いつまでも若くいたいと思う自分としては、40とういう数字はかなりショックです 涙。

あと何年生きることができるのか分かりませんが、仮に80歳まで生きられるのだとしたら、ちょうど折り返し地点です。でも、そう考えると、まだまだ若いなとも思います(笑)

しかし、経験値は増えてきましたが、体力的には明らかに落ちてきており、去年2回も体調を崩して高熱を出したということもあり、最近は健康第一がテーマです(笑)

時間は有限であり、身体は資本であり、一人でできることは限界があることを痛感する中、これまでのように無理はできないし、無駄なことは一切やりたくない、最近は特にそう思います。そして、色々なものを削ぎ落としていくことによって、自分にとって何が大切なのか、何を大切にしたいのかがより鮮明になってきているようにも思います。

だからこそ、今すぐに必要なくても、根本的に必要だと思うこと、自分の気持ちが強く動く方向に力を注いでいきたいと思います。

最近思う自分の強みは、ただただ今できる小さな一歩を積み重ねていくこと。もともと平凡なのです。もともと才能がないから人が寝ている間に頑張るしかない、ウサギではなくカメなのです。カメの歩み(笑)カメはカメなりに歩かなければ生き残れなかった、そして諦めが悪かった、ただそれだけです。

でも数年前「平凡は非凡なんだよ」と教えられたとき、「あぁ、平凡でいいんだ」と何だか肩の荷が下りたとりたと共に、少しこれまで積み上げてきた自分を誇らしく思えた瞬間でもありました。

昔はカメの自分を認めたくなかったので、頑張ってる姿は隠してました。才能でできるみたいに見せたかったんです。可愛いでしょ。でも、カッコつけてて逆にカッコ悪いですね、カメなのにウサギのフリして(笑)

残り40年間で仮に命が尽きるとしたら、自分たちが実現したい社会に一歩でも近づいている、そこに多少なりとも貢献できたんじゃないか、そう自分自身が思えるよう、これからの人生の後半戦を送っていきたいと思っています。

カメの歩みで、一歩一歩(笑)

40歳まであと5ヶ月、30代残り半年切ってしまった 涙

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