人生は分散投資、完璧主義に苦しまないために

2021.05.25

コラム

思考法

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「分散投資」という言葉、聞いたことありますか?

これは一般的には金融で使用される用語で、

投資先を一つに限定せず、複数の投資先に投資することでリスクを軽減する手法です。

例えば、A社に100万全て投資すると、A社の株が暴落した時に大きな損失になってしまいますが、100万円をA社、B社、C社に分散して投資していれば、A社の株が暴落しても損失は押さえられる(もしくは、B社とC社が上がる可能性もある!)という考えです。

リスクを減らしていますよね。

実はこの考え方、金融投資以外にもかなり活用できる考え方なので、

今回はこのことを伝えたいと思います。

私もこの考え方で楽に過ごせることが多くなりました。

まずは職業の分散です。

多くの人は、働きながら何かしらの悩みを抱きます。

評価されていない、、

上司に逆らえない、言いたいこと言えない、、

いじわるな先輩がいる、、

今の仕事が自分に合っていない、、

本当にやりたい仕事はこれではない、、

なぜこれに悩むのでしょうか。

様々理由はありますが、

一つの大きな理由は、「この職場で今後も働き続ける」ことが前提になっているからです。

職場がここしかない(そして、ここ以外に行けない)場合は、

この職場で評価されないといけないし、

この職場の上司に気に入られなきゃいけないし、

このいじわるな先輩に堪えないといけないし、

今の仕事が自分に合ってなくてもやらなきゃいけないし、

本当にやりたい仕事じゃなくてもやらなきゃいけない。

もし、職場がもう一つあったら(もしくは転職できる人材なら)、

今の職場を捨てて、次に行く決断もできるのです。

そしたら、今抱えている悩みは消えるかもしれない。

少し極端に話しましたが、

自分の居場所が1か所か、2か所か、で心の余裕は全く違います。

1か所の場合、そこに合わせようと必死にならざるを得ないのです。

今、多くの会社で「副業」ができるようになってきました。

これからは、このような社会の変化も追い風になり、複数の職業選択ができる時代になると思います。

次は、もう少し世界を広くして考えてみましょう。

Aさんは、

看護師として働く一面

母としての一面

趣味のコーラスサークルでの一面

仲の良いママ友といる一面

という複数の面を持っているとします。

Bさんは、

看護師として働く一面

母としての一面

の2面のみ持っているとします。

例えば、職場で大きな失敗をしてしまった時、

複数の面を持っているAさんはその日のコーラスで納得のいくコーラスができて、仲の良いママ友に愚痴を吐きつつ労ってもらって、翌日にはすっかり気分転換ができました。

一方Bさんは、職場のストレスや自分へのふがいなさを心に溜めたまま、母として頑張ろうとしたけど、イライラや悲しさが子供への態度に出て、ますます自分を責め、気分が落ち込んでしまいました。

ここで言いたいことは、

リア充(リアルを充実させましょう)ということではなく、

複数の顔を、つまり、逃げ場をたくさん作りましょう、ということです。

自分の居場所を分散することで、逃げ場ができ、自分の心が健全になりやすくなります。

ここで、分散投資についてくだらない話も1つ入れておきます。

例えば恋愛の場合。

ある女性がA君を好きになりました。

A君に夢中になってしまい、寝ても覚めてもA君のことばかり。

A君の一挙手一投足が気になってしょうがありません。

無意識に、たくさんメールを送ってしまい、返信がないと不安で苦しい。

A君とデートした時に、緊張しすぎて挙動不審。

完璧な私、最高の私でいなきゃ!と思うから、お化粧もおしゃれもばっちりだけど、なんだかへとへと。

これ言ったら嫌われるかな、これしたら気持ち悪いかな、とA君の顔色ばかりうかがって楽しむどころではありません。

もちろん、そんな雰囲気はA君にも伝わっていて、

「なんか、、、君と一緒にいても疲れるし、なんかちょっと重い、、ごめん」と振られてしまいました。

A君一筋だったので、フラれたショックは半年間続きました。

さて時は過ぎ、

同じタイミングでB君、C君と気になる人が現れました。

どっちもいいなぁなんて思いながら、

B君やC君とそれなりにメールをしたり、遊んだりしました。

B君がダメだったらC君もいるし、なんて不埒な気持ちが功を奏し、

等身大の自分で、適度なドキドキを感じながら2人とやりとりできました。

B君やC君には余裕がある女性に見えて、逆にグイグイアプローチされるようになりました。

さて、「2人も同時進行なんて、いけすかない女」と思う気持ちは捨てていただいて、

ここで伝えたいのは、

選択肢が1つしかないと、完璧思考になってしまい(失敗は許されない)、とても苦しく、自分らしさが出なくなってしまうということです。

やはり選択肢は複数あった方が余裕ができ、心は健全になります。つまり、分散投資ですね。

ちなみに、既婚男性がモテる理由の一つは、この「余裕」ではないか、と私は思っています。

分散投資の考え方は、経営にも活かせます。

コロナ禍で、世界は誰も予想しない事態になりました。

うまくいっていた事業が一気に廃業に追い込まれたり、

特にホテル業や航空業だけをしていた会社は、非常に厳しい経営状況となりました。

一方、複数の事業を持つ会社は、意外にダメージが少なく済みました。逆に、事業によっては増収となりました。

経営にとっても、複数の事業を持つことは、リスク分散となり強みになるのです。

ここまで、いくつかのケースをあげて分散投資のススメを伝えてきました。

いかがですか?

複数の居場所を持つことにより、余裕が生まれ、自分の力を最大限発揮することが可能となります。

この考え方は自分を楽にさせ、救う思考方法でもあります。

ぜひ試してみてください。

著者プロフィール 神田朋子

  • 群馬県生まれ東京都在住。
  • 筑波大学大学院 数理物質科学研究科 修了。2007年、ヘルスケアに特化した経営コンサルティンググループに入社し、プロジェクトリーダーとして人事コンサルティングを担う。その後、人材開発の領域に進む。元々「権力(メジャー)を嫌い、マイノリティに寄り添い、異質を受容する」家族の中で育ち、自然とその影響を強く受けるが、会社の業績至上主義と画一的な価値観が善とされる組織文化の中、自己のアイデンティティーとの狭間で葛藤する。
  • 2014年、同社を退職し、金融・航空・メーカーなど大手企業をクライアントとする人材育成会社に転職し、コンサルティング営業を担う。裏方として第一線で活躍するプロフェッショナルをアテンドし、世の中のトレンドに触れる中、自分自身が様々な偏見や常識に囚われていたことを知り、リベラルアーツ教育の重要性に目覚める。
  • 2018年、結婚・出産を機に1年間の休養に入る。命がけの出産を通して子を産み育てる母という存在の偉大さを知り、これまでの仕事一筋の生き方から、子を中心に置いたライフスタイルへと大きく生き方が変わる。
  • 2020年、1児の母として職場復帰すると共に株式会社ピュアテラックスに参画、コンサルタントとして表舞台に戻る。真の多様性(ダイバーシティ)の社会の実現に向け、マイノリティである女性リーダーの育成に力を入れている。
  • 第一印象は強そうに見られるが(実際に気は強い)、根は気遣い屋で面倒見がいい。好きな言葉は詩人 鈴木みすゞの″みんなちがっていい、みんないい″。ヤンキー、彫り師から社長まで友達の幅は広め。蟹座A型三人姉弟の真ん中。
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