気にしーなA子さん 〜自分を消費しすぎないために〜

2022.03.25

コラム

思考法

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今日はあるA子さんの日常をお伝えします。

A子さんは、どこにでもいる普通の30代女性で、

パートとして会社に毎日出勤し、事務作業をしています。

結婚はまだしていないけど、そろそろ結婚したいなぁとなんとなく思っています。

そんなA子さん、実は周囲を気にしすぎてしまう性格で、

そんな自分が嫌だなぁと思っています。

そんなA子さんの日常をそこに対する突っ込みつきでお伝えしていきます。

あ、なんか気持ちわかる、、と思う方も多いのでは?

朝、A子さんは電車で出勤します。

電車で思うことはただ1つ「いかに周囲の人に迷惑をかけないか!」

満員電車でギュウギュウ詰めだけど、

A子さんは決して人に寄りかかりません。

足を踏ん張って、グッとこらえます。

隣の人の咳払いが気になってしょうがありません。

「これ、私に向けて咳払いしてる?」

後ろの人のバッグもとても邪魔です。

でももちろん、波風立てるくらいなら、自分が我慢することを選ぶのがA子さんです。

嫌な顔1つしません。

そうして電車を降りる頃には、筋トレし終わった後のようなグッタリ感があります。

辛口突っ込み

満員電車は確かに皆ピリピリしていて波風立てるのは危険だけど、

そんなに頑張る必要があるほど、人はあなたのことは気にしていません。

朝からナニカと戦う必要はありません。

さぁ、職場に到着。

当然職場に着いたら挨拶をします。

でも、大きな声を出すのは気が引けるから、

近くの人にボソッと「おはようございます」と伝えます。

既に仕事をしている人には申し訳なくて声を掛けられません。

でも声をかけなかったらかけなかったで、「気を悪くしたかしら」と

その人のことが気になってしょうがありません。

辛口突っ込み

挨拶はされて嫌な人なんていません。(いたらその人はちょっと何かを抱えてる?)

挨拶して損することは基本的にありません。

そして、同時に、あなたの挨拶の有無を周囲はそれほど気にしていません。

こんなことで悩まないで。

そしてPCに向かいます。

メールチェックをしますが、ある取引先のメールが気になってしょうがありません。

とてもシンプルな構成のメール文に「この人、私のこと怒っているのかしら?」と不安になってしまいます。

そして、返信するのは後にしよう、、、と得意の後回し作戦に出ます。

辛口突っ込み

メール文は、いかにシンプルに要件を伝えられるかが重要です。

口頭で話すような口語文は逆に迷惑にもなりえます。

文章での気の遣い方は適度さが重要で、テクニックでカバーできます。

さて、上司に今日の業務予定を報告に行きます。

上司はいつもとっても忙しそう。。

タイミングをうかがっていたら既に10分経過。

その隙に鈍感力高いB男君がサラッと上司に声をかける。これでまた5分待つ。

よし、今だ!と上司のデスクに行き、話しかける。

「す、すいません。お忙しいところ大変恐縮ですが、今日の業務についてなんですけど、もしお時間可能であれば業務の説明をさせてもらったりなんかしてもよろしかったでしょうか」

気を遣いすぎて、なんだかとっても変な日本語になる。

辛口突っ込み

「本日の業務報告をしたいのですが、今お時間宜しいですか?」で済みます。

気にしすぎてしまう人は、相手を気遣おうとして枕詞が増え、丁寧に話そうとして語尾がひたすら長くなる傾向がありますが、それを相手は望んでいないことがほとんどです。

さ、お昼休み。

今日は一人でお気に入りのカフェでYouTubeを見ながらランチしたいと思っているA子さん。

すると、「A子さん、皆でご飯食べにいくんだけど、A子さんもどう?でも全然無理しないでね」と言われると、、絶対断れないのがA子さん。

「わーい♪、ぜひぜひ行きましょう」と条件反射で答えてしまいます。

辛口突っ込み

ここで断っても、不穏な空気になることはありません。

ある意味自分の影響力を過信した自意識過剰ともいえます。

さ、午後の仕事も頑張るぞ。

その時、1個下の後輩C子さんがお客様と電話している声が聞こえました。傍から見ても相手に対する配慮が感じられないし、相手が気を悪くしていることが想像できる。

気が重いけど本人に注意しなきゃ。。

「C子さん、さっきの電話なんだけど、、」「A子さん聞こえてました?なんか話が伝わらないと言うか、お客さんって難しいですね」「う、うん、そうだよね。クレームにならないといいね」

言いにくいことを本人に伝えるのは、とうていできないA子さんでした。

辛口突っ込み

「誰のため」に「どう伝える」か、がとても大切です。この件は、A子さんが「自分のため」に何も言わなかった、ことになります。これは「C子さんのため」に、言うべきことを「言い回しを考えて伝える」方がいいです。決して怒ったり叱ったりする必要はなく、本人に気づかせることが目的です。何も言わないとC子さんは何も変わらないし、知らずに自身の評価を下げていきます。

そして帰りも筋トレ風に電車に乗り、帰宅するA子さん。

帰宅した頃にはドッと疲れが出て、何もする気力が起きない。

そんな時はひたすらネットフリックスで動画鑑賞して現実逃避。

この主人公のように私も「言いたいこと言って、イキイキと生きたいんだけどなぁ」と

今日もぼやくA子さんでした。

おわりに

この生活を24時間、365日、数十年間続けるのは相当な負担になります。

気を遣える人は貴重だし、職場に欠かせない人材ですが、

気を遣い過ぎてしまう人は、自分自身が疲れるし、時に人を傷つけることもあります。

よかれと思っていることが、実はそうではないケースもあるのです。

適度に気を遣えるよう、そして自分を消費しすぎないように、

日々生活したいものです。

でもわかっちゃいるけど、そう簡単には変えられませんよね。。

まずはなぜ気を遣い過ぎてしまうのか、自分は本当は何を恐れているのか、気を遣い過ぎないように何ができるか、を知ることから始めましょう。

著者プロフィール 神田朋子

  • 群馬県生まれ東京都在住。
  • 筑波大学大学院 数理物質科学研究科 修了。2007年、ヘルスケアに特化した経営コンサルティンググループに入社し、プロジェクトリーダーとして人事コンサルティングを担う。その後、人材開発の領域に進む。元々「権力(メジャー)を嫌い、マイノリティに寄り添い、異質を受容する」家族の中で育ち、自然とその影響を強く受けるが、会社の業績至上主義と画一的な価値観が善とされる組織文化の中、自己のアイデンティティーとの狭間で葛藤する。
  • 2014年、同社を退職し、金融・航空・メーカーなど大手企業をクライアントとする人材育成会社に転職し、コンサルティング営業を担う。裏方として第一線で活躍するプロフェッショナルをアテンドし、世の中のトレンドに触れる中、自分自身が様々な偏見や常識に囚われていたことを知り、リベラルアーツ教育の重要性に目覚める。
  • 2018年、結婚・出産を機に1年間の休養に入る。命がけの出産を通して子を産み育てる母という存在の偉大さを知り、これまでの仕事一筋の生き方から、子を中心に置いたライフスタイルへと大きく生き方が変わる。
  • 2020年、1児の母として職場復帰すると共に株式会社ピュアテラックスに参画、コンサルタントとして表舞台に戻る。真の多様性(ダイバーシティ)の社会の実現に向け、マイノリティである女性リーダーの育成に力を入れている。
  • 第一印象は強そうに見られるが(実際に気は強い)、根は気遣い屋で面倒見がいい。好きな言葉は詩人 鈴木みすゞの″みんなちがっていい、みんないい″。ヤンキー、彫り師から社長まで友達の幅は広め。蟹座A型三人姉弟の真ん中。
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