女性リーダーのあなたへ vol.2 なぜ女性は自信を持ちにくいのか

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リスクを恐れるのは確実にやり遂げたいから

前回、社会変化の流れから「女性活躍推進は社会に求められていることであり、リーダーは女性が得意な領域」ということで、迷わずやってみよう!という話をしました。

しかし、これを聞いても、

「私には自信がない、、」と躊躇する人が多いと思うので、

今回は、自分のことを正しく理解し、「自信がない状態」から脱却することを目指して話を進めていきます。

まずは私の話を。

私の以前の思考はこうでした。

上司「神田、これ任せるから一人でやってみて」

私「いやいや、念のため一緒にやってください。一人はちょっと自信が無いです」

上司「来期の数値目標は〇〇にしよう」

私「いえ、それはできる気がしません。もうちょっと下げてください」

上司「マネージャーを目指してほしい」

私「私はプレイヤーが好きだし、プレイヤーに向いていると思うし、マネージャーはやりたくありません」

「嫌です」と言える勇気があるのは我ながらすごいと思いますが笑、

「自分にとって確実ではないことや苦手なこと」に対しては、チャレンジをせずに避ける傾向がありました。

さて、皆さんも似たような経験はありませんか?

話を少し変えて、「女性性」と「男性性」の話をしたいと思います。

ここで言う「女性性」とは、女性が持ちやすい特性であり、「女性」という生物的な性別のことではありません。つまり、男性でも女性性を持ちえます。

逆もしかりで、女性でも男性性を持ちえます。

実は多くの人は、女性性も男性性も持ち合わせていて、占める割合が違うのです。

さて、女性性と男性性の違いはいろいろありますが、仕事の受け方も特徴的です。

仕事を振られたとき、

男性性は、9割厳しそうだなと思っても1割でもできると思ったら「はい、できます」と引き受け、

女性性は、9割できそうだなと思っても1割厳しそうだなと思ったら「いえ、できません」と断る、と言われます。

そう、女性性はリスクに敏感なのです。

言い換えると、失敗が怖いし、きちんとやり遂げたいのです。

男性性は、リスクをとりにいきます。

言い換えると、失敗しても、まぁいっかという適当さがあるのです。

そう、だから女性は責任感が強く真面目なのですね。

なので、引き受けた仕事は責任をもって、きっちりやり遂げます。

そして信頼を得ます。

女性のこの特性は、うまく働くととても良い効果を発揮するけど、逆に働くと、自分を信じずにチャンスを放棄することになります。

1回の失敗で自分の一生が評価されるわけじゃない

ここで話を戻しましょう。

つまり、そもそも女性は「無理」「自信がない」を抱えがちな特徴があります。

だから、リーダーやマネージャーという一見大変そうな役割を任せられたり、チャレンジングな状況に弱いのです。

男っぽいと言われていた私(男性性も強め?)でさえ、リスクに敏感な女性性が相当なストッパーとなってリーダーやマネージャーを拒否していたのですから、女性性が強い女性は、断固拒否!になりますよね。

じゃぁ、「やっぱり女性性が強い私には無理!自信ない!」と思ったあなたに、追加でお伝えします。

冒頭の事例のように、以前の私は基本的にチャレンジを避ける傾向がありました。

でもある時、こんなことに気がつきました。

「この“一瞬”の出来事(失敗)で、人は私を“一生”評価することはない」

実は、、、意外に人は自分のことをそれほど気にかけていません!笑

あなたは、後輩や部下の失敗を一つひとつ覚えていますか?

1回の失敗でその人を決めつけていますか?

もし1回の失敗でその人を決めつけているなら、その思考はすぐにやめましょう。

思い込みの思考にとらわれています。

たいていの人は、本人の心配をよそに、日々の業務をこなしたり子供のお世話をしたり飲んだり寝たりしているうちに、自分以外のことは記憶から消えていきます。

なので、たった1回失敗したとしても問題ありません。

むしろ、その後の発言や行動や態度でいくらでもリカバリーし、覆せる。

なんなら、失敗が成功になることは実際多々あります。

そう、

「この“一瞬”の出来事(失敗)で、人は私を“一生”評価することはない」と気づいてから、

失敗をそれほど恐れなくなりました。

クレーム絶対出さない主義だった完璧思考の私が、

クレーム起きてもまぁいっか、と思えるようになったことに皆驚いていました。

そしてその思考を身につけた私は、

仕事が、生きることが、とてもとても楽になりました。

あなたも、

「この“一瞬”の出来事(失敗)で、人は私を“一生”評価することはない」と一度信じてみませんか。

そう思うと、女性性特有の真面目さ+リスクを恐れない思考によって、

スーパーウーマンが出来上がります。

著者プロフィール 神田朋子

  • 群馬県生まれ東京都在住。
  • 筑波大学大学院 数理物質科学研究科 修了。2007年、ヘルスケアに特化した経営コンサルティンググループに入社し、プロジェクトリーダーとして人事コンサルティングを担う。その後、人材開発の領域に進む。元々「権力(メジャー)を嫌い、マイノリティに寄り添い、異質を受容する」家族の中で育ち、自然とその影響を強く受けるが、会社の業績至上主義と画一的な価値観が善とされる組織文化の中、自己のアイデンティティーとの狭間で葛藤する。
  • 2014年、同社を退職し、金融・航空・メーカーなど大手企業をクライアントとする人材育成会社に転職し、コンサルティング営業を担う。裏方として第一線で活躍するプロフェッショナルをアテンドし、世の中のトレンドに触れる中、自分自身が様々な偏見や常識に囚われていたことを知り、リベラルアーツ教育の重要性に目覚める。
  • 2018年、結婚・出産を機に1年間の休養に入る。命がけの出産を通して子を産み育てる母という存在の偉大さを知り、これまでの仕事一筋の生き方から、子を中心に置いたライフスタイルへと大きく生き方が変わる。
  • 2020年、1児の母として職場復帰すると共に株式会社ピュアテラックスに参画、コンサルタントとして表舞台に戻る。真の多様性(ダイバーシティ)の社会の実現に向け、マイノリティである女性リーダーの育成に力を入れている。
  • 第一印象は強そうに見られるが(実際に気は強い)、根は気遣い屋で面倒見がいい。好きな言葉は詩人 鈴木みすゞの″みんなちがっていい、みんないい″。ヤンキー、彫り師から社長まで友達の幅は広め。蟹座A型三人姉弟の真ん中。
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